基礎講座の最新受講レポート

小学生男児の保護者の方より

小学生の息子が離乳食期から偏食が強く、対応に苦労してきました。色々な講座や本で勉強して、「食卓は楽しく」「楽しいコミュニケーション」を心がけて、小学校の先生方のご協力もありかなり改善してきています。今までの対応は、いいかな~と言うもの自分で行ってきたのものだったので、今回食を職にしている方にも有効な講座ということで、根拠のある食支援を学びたいと思い受講を決断しました。

偏食にも原因は様々で、アセスメントや実際の支援の方法が整理されていてとても分かりやすかったです。演習で実際にアセスメントを活用できました!息子を想像して、アセスメント~実際の関わり方までそういうことか!と根拠がしっかりしていて腑に落ちました。偏食専門の講座や本はあまりないので、とても役立ちました。

保育園の管理栄養士さんより

小食、偏食の幼児がおり、その対応に自信をもって方向性を示せていないため受講しました。今まで完全に「お残し禁止」の園を昨年ようやく「残しOK」かつ子どもに食べる量を決めてもらうセミバイキング形式に変更しました。「無理やり食べさせないで」「残すことも自分のことを知り、自分で決める大切なこととポジティブにとらえて」とお願いし続けてきましたが、最近食べられない子をそのままにしてしまっているように感じていました。「一口食べてみて」という前に何か出来ることがあるのではないか?そう思い受講しました。

本当に濃密な講習をありがとうございました。漠然とした問題意識が、支援の流れや問題を3つに分けて教えていただくことで、「あの子はここに難しさを持っていたのではないか?」と解決へのイメージが少し見えました。まずは同じ目線で問題を保育士と共有できるように今回教えていただいた内容でアセスメントシートのような物を作り、アセスメントするところから始めてみたいと思いました。また、残食から多くの事を読み取れると分かったので、食べ終わりの時間も見て回れるようにしたいです。

講習中に何度か出てきた「大人がまず楽しむこと」「楽しくリラックスでき、居たいと思う食卓であること」にハッとしました。うちの園の場合は特に、今まで完食させることに躍起になっていたので給食の時間に先生に対して委縮している子どもが見られるように思います。給食をリラックスして楽しく食べてもらうことが大前提だと思うので、まずは先生が楽しく食べることから始めてもらうようお願いしていきたいと思います。そして保育士さんの、食べられること=偉いことの意識を少しずつ変えていければと思いました。

この他にも「食べられないことは「わがまま」や「甘え」ではなく理由があり、支援策もあるという目線に立つことが大切であること」「食べても褒めすぎないこと」「吐き出して大丈夫な環境にすること」「好きなものから広げていくこと」など本当に多くの事を知ることができました。漠然とした問題意識だったものが、今回の講習を通してそれぞれの子どもの問題が少し明確になり、どうすればいいのかの道標が見えたような気がします。

早速ですが、口腔機能の発達を大切に進めていくことが将来の機能的な問題の防止になると思い、それぞれの時期の目指す口腔機能の情報を保育士と共有し、来年度の保護者へ配布する離乳食ブックの内容の見直しを始めています。子どもたちが食べることを好きになってくれるように、少しずつやれるところから取り入れていきたいと思います。そして、今回の講習を何度も見て学びを深めていきたいと思います。

特別支援学校の先生より

今春から担任したクラスで、給食でごはん、パン、麺しか食べない子に出会いました。偏食指導をどう進めるべきかと悩み、ネットで情報を探しました。藁をもすがる思いで山口先生のご著書を読み、指針として掲げ、保護者にも給食指導の方針を伝えて、小さなステップから取り組むことにしました。

食べずにただ給食の時間をやり過ごす彼女に対して、完食しなくていいこと、美味しく楽しく食べる時間にしたいことを、出会ったばかりの私に警戒しないで安心して欲しい一心で繰り返し話しました

緘黙症状も見られる子なので、ほぼ一方的にイラストを見せながらの、一対一のおしゃべりタイムになりました。野菜の名前を一つずつ覚えて親しみを感じて欲しいとの思いから、「このおかずはきゅうり、キャベツ、アスパラが入ってるね」と話したり、手のひらに枝豆を乗せてもらったり、固さを感じるためにフォークや指でつついてもらったり、匂いをかいでもらったり、最後はどんな気持ち?と「O.K」「NO!」「わからない」のイラストを指差して感想を聞きとって、「そうか、そうだったのね〜」とただ受け止めるだけの会話をしたり。楽しい時間になるようにしつこくないレベルで、を心がけながら、口腔感覚過敏がある可能性を念頭に置きながら、あらゆる働きかけをしてみました。ある日、揚げしゅうまいのカリカリの皮をむいて、唇に触れさせたところ、うっすらと口を開けて、パクリ!食べられる、嫌いじゃない、おいしい!と彼女なりの気付きがあったようで、次々とむいてパクリ!その日はその何枚かの皮のかけらしか食べませんでしたが、私は大きな一歩を心から喜んで、「ありがとう、ありがとう!」となぜか感謝を伝えていました。

今では、毎日リラックスした表情で、自分から匂いを確かめて一口食べたり、今日はここまで、と自分で決めて終わりにしたり、給食を自分なりに楽しい時間として過ごせている姿を私はニコニコ眺めています。時には完食するおかずもあり、空になったお皿を見せてくれるのです。緘黙症状も和らぎ、クラスの中では友達とワイワイキャーキャーはしゃいで遊んだり、日直の日の朝の会を張り切って進行したりするようになりました。プレッシャーをかけない、楽しくスモールステップで、リラックスプラス空腹…いただいた数々の指針を大切に、これからも一人ひとりのハードルにゆっくりじっくり一緒に向き合って行きたいと思います。

保育園栄養士さんより

保育園で栄養士をしています。
私の園では偏食の園児(自閉症の子、要支援児の子、家庭での食経験が少ない子)が各クラス数名います。
給食巡回の時、先生方(私を含めた)は従来の
「完食させようと口に運ばせる」「一口食べたらフルーツ(デザート)をあげる」声かけは「体にいいから食べよう」などでした。

時代(親が共働き)や土地柄(都会・園庭がない園)もあり、子ども達の食経験がなかなか積めない状況を少しでも変えたく、受講しました。実際、私は田舎で育ったので、畑の新鮮な野菜を食べて、好き嫌いもさほどなく育ちました。なぜこんなにご飯を食べない子が多いのが最初は謎でした。

受講していま行動に起こしていることは
・給食の時間を楽しいものにする

 (食材の紹介をしたり、料理の小話をする)
・偏食の園児の家での様子を連絡帳などで確認し、特徴を把握
・給食の見た目を少しでもカラフルにする
 (いつも食べられないものを食べられたよ!と言ってくれる子には○○食べられたんだね!と認識させる)
・「感情」に訴えかける
(給食をどうやって誰が作ったのか伝えるなどを話す、SDGsにからめてもったいないばあさんなど絵本から「食」の大切さを興味づけさせる)
です。

園では、保育の中で絵本と繋げる取り組みもしているので、給食関連も食に関する絵本を給食前に読み、興味づけをしています。

今後の課題としては
先生方への給食指導のアドバイスや
家庭でも食を大切にしてもらうために
保護者への働きかけを学んでいきたいと思っています。

山口先生の脳の仕組みから、人間の本能など掘りに掘り下げた、食べることへの働きかけ方が読んでいてとても納得できます。
自分の固まった頭がほぐれていく感じです。
先入観や今までの知識が時代にそぐわなくなってきていると思っていたところで
新しい考え方を学べています。
ありがとうございます。

保育園の職員さんより

保育所の子どもたちの食事、食育について補助できることがあればと思い受講しました。

講義の中で特に、事例から解決策を見つけることに興味を持ちました。
こどもたちや保護者の声から問題点を整理し、それに対して解決策を当てはめていくという流れを講義中にも体験でき、大変わかりやすかったです。

職場では、子どもに寄り添った支援を食育にかかわらず実践しているところではありますが、食事の時間になると、時間の制限や、就学に向けてのマナー等への焦り、
食べこぼしやおしゃべりなどで食が進まない子にストレスが溜まってしまい、職員の心に余裕がなく感じます。
周りの大人が楽しく支援できているかという点において、職員の意識も柔らかくほぐせるようなヒントを得て、園全体の食育を推進したいと考えました。

食べることができないのには理由があり、一口食べれたからもう一回口に入れることにつての危険性やその時のこどもの気持ち等、3つの「ま」、大人と子どもの感覚の違いなど、先生方にも知ってもらえるようにするコツなども多くのヒントを得ることができました。私自身は保育士としては働くことができませんが、リラックスして食事がとることができる環境づくりや、補助要員として食育にかかわり、楽しく安心して食事ができる場を作っていけるようにしたいと強く思いました。

食の進まない子同様先生たちにも不安があるのかもしれないと考え、どちらの不安も解決できる手段を学ぶことができたので、今後実践していきたいと思います。

講義の中に食べてもほめるな!と過剰に反応する必要がないということに対して、私自身がそのようなほめ方をしていたのでそれをするとどうなるかを聞きハッとさせられました。成長をちゃんと見てるよというような安心を与えることのできる接し方を実践したり、子の様子をよく観察して食べらると覚えたかどうかを根気よく実践ていきたいと思います。